薬膳調理に関する書籍を出版しました - 名古屋市 薬膳講座 料理教室

元気幸房

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薬膳調理に関する書籍を出版しました

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まえがき

 秦・前漢の時代(紀元前202~後8年)に著された『黄帝内経』素問には、食品を群別に分け、それらの性味・帰経・効能を見極めて、バランスよく食べることの必要性が説かれています。

■素問:藏気法時論篇第二十二より

五穀為養、五果為助、五畜為益、五菜為充。気味合而服之、以補精益気。此五者、有辛酸甘苦鹹、各有所利、或散或収或緩或急或堅或耎。四時五臓病随五味所宜也。

【解】五穀:麦、黍、稗、稲、豆・・・穀類は主な食材として五臓を養います。

五果:李、杏、大棗、桃、栗・・・果物は五臓の働きを助けます。

五畜:鶏、羊、牛、犬(馬)、豚・・・肉類は五臓を補います。

五菜:葵、藿、薤、葱、韭・・・野菜により五臓を充実させます。

 

 気味をうまく調合してこれらを食べれば精気を補益することができます。これら五種類の食べ物は、それぞれ五味である辛酸甘苦鹹を有していて、それぞれが利益を与えていく場所があります。或いは散じ、或いは収め、或いは緩め、或いは急にし、或いは堅くし、或いは耎(柔)らぐ作用を行って、四時五臓(五臓に有余と不足があり、四季の気候も様々な変遷がある)の病に対して五味を用いて、治療していくとあります。

 本性味表の食品群分類は、文部科学省 科学技術・学術審査会 資源調査分科会報告による『日本食品標準成分表2010』(以下「食品成分表」)に準拠し、1~18群に分かれています。なお、「食品成分表」に収載されていない食品は、19.生薬その他 としました。各食品群の扉には、食品群の現代栄養学上の特徴を簡単に記載しました。

 すべてのものは立ち位置を替えると、様々な側面が見えてくると思います。一つの食材を薬膳学から見た場合と現代栄養学から見た場合では、その食材の良さが倍加したり、お互いに相通ずるものを見つけ、思わず手を打つこともあります。性味・帰経・効能を知ると共に「食品成分表」も参照すると、その食品に、より興趣がわくことと思います。

 

 『健康の三原則』は、①営養のバランス ②適度な睡眠・休養 ③適度な運動 と言われています。私は、現代栄養学の立場からから、『健康の三原則』に則った【養生】を見つめてきましたが、いつも何か足りない…と感じてきました。そして、薬膳を通じて【中医学理論】から、季節に合わせ、自然に沿って生活することの大切さを学びました。

 また、目に見えない【気】を、体感することにより人体を構成し、生命活動を維持する基本物質であるという【気・血・津液・精】の理論を少し理解しました。【薬膳】と【気功】は自分で実行できる養生法として、より深く身に着けていきたいと考えています。

 『食品群別・効能別 どちらからも引ける 性味表大事典』、『四季の病と養生と漢方治療』、『はじめての気功』を、一冊にまとめた意思がここに在ります。

平成28年5月 元気幸房 代表 竹内郁子

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あとがき

 私は、自動車会社・保健所・幼稚園・整形外科病院・老人病院・一般病院など、非常勤も含め多種多様な職場で、管理栄養士として、給食業務や栄養相談業務に携わってきました。

 その中で、一般病院に入職した昭和60年(1963)当時の「病院給食」は、四悪(まずい、冷たい、供される時間が早い、選べない)と酷評されていました。

 ここで、四悪を四善に改善していく中で、手作りで、個別栄養管理や個々の嗜好・消化能力を加味した「美味しくいただける治療食」の提供が、確実に治療効果をアップさせることを経験してきました。「美味しくいただける治療食」を完食(食べ残しなし)しなければ、どんなに栄養管理されていても、意味がありません。そのバロメーターとなる残菜(食べ残し)を減らすための試行錯誤をしていく中で、薬膳に出会いました。当時、愛知医科大学の留学生として来日されていた辛松峰先生から、食品の「寒熱」の働きを教えていただき、現代栄養学とは違った切り口での効能効果に目を見張りました。また、心して調理できた日は、病棟から感謝のメッセージが届くことも体験してきました。私は、現場で調理する時、「餌ではなく、恋人のための食事を作りましょう!」と声掛けし、心掛けてきました。

 これは、薬膳という言葉の初出といわれる『後漢書』(430年頃、范曄(はんよう)著)列女伝第七十四「程文矩妻(ていぶんくさい)」に記されている、“(みず)から薬膳を調え、恩情篤密なり”に通ずるものがあると思います。話の内容は、“程文矩の後妻に、四人の子供たが馴染まず、いつも反抗されていたが、長子の輿が重い病気になり、後妻は薬膳を作って食べさせたところ病気は治った。子供たちは改心し、後妻(継母)の教えを守り地方の名士になった”というものです。つまり、心を込めて作った薬膳は、その病を治すだけでなく、その心をも治す力があるのです。心を添えることにより、「食」に深く大きな力が加備されるということは、私自身、長年の経験で幾度となく実感してきたことでもあります。

 「薬膳」にすっかり魅了された私は、64歳で退職後、基礎から薬膳を学び始め、今は、仲間とともに「スキルアップ講座」を開催し、各方面から講師をお招きして、奥深い薬膳の世界を愉しみながら学ばせていただいております。

 

 先人の智慧を学ぶ中で、岡本清孝先生に懇切丁寧なご指導をいただき、施膳のための『性味表』をまとめることができました。

 宇宙の中で、共に生かされている「天人合一」の生き方を学ぶために、林誠一先生にご講義いただいたのが、『四季の病と養生と漢方治療』です。

 また、目に見えないけれど在る「気」を体感できるように、気功を講座のブレイクタイムに取り入れております。『はじめての気功』は、和気信一郎先生に、「放鬆(ふぁんそん)」の技法を中心に書きおろしていただいたものです。

 一知半解の私達の手で本の形にするのを何度もためらいましたが、諸先生方のご教示と広いお心の下で、一冊の書として、残すことができました。この本が、皆さまの学びと実践の一助となれば、幸いです。

 最後に、本書の作成にあたり、先人の遺された貴重な書籍を、閲覧させてくださった 内藤記念くすり博物館の伊藤恭子氏、辛抱強く出版までの道案内をしてくださった 有限会社ダブルベース 二瓶孝浩氏に、この場を借りて、篤くお礼申し上げます。ありがとうございました。

 これからも、薬膳を学ぶ仲間たちとともに、「薬膳の深遠な森」を歩んでいきたいと思っております。

平成28年5月 元気幸房 代表 竹内郁子

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